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ちがうお祭り [記事]

 「ばあちゃん、うちゅう行っちゃった」
 5年前に亡くなったお祖母ちゃんのことを、最近また言うようになりました。

 先日の春まつり、地元の神社で打ち上げ花火を見ようとしていたときの
ことです。
 急に思い出したように、こうきが言いました。
 「ばあちゃんと、おまつり、きました。」
 「そうだね、ばあちゃんと一緒に来たねえ。焼きそばやお好み焼き食べて、
楽しかったね。」
 「アイスも食べました。」
 自分がまだ小学生だった頃のことを、こうきはよく覚えているようでした。
 「ばあちゃんは、今どこにいますか。とおくですか。」
 「そうなんだよ。ばあちゃんは、遠くにいるよね。」
 「うちゅうですか。」
 「そう。宇宙に行っちゃったんだよ。」
 「うちゅうは、遠いですか。どこから行きますか。時間かかりますか。何時間、
かかりますか。」
 「ばあちゃん、ここ、来ますか。ここのおまつり、来ますか。」
 こうきの質問は矢継ぎ早に続き、私は言葉に詰まってしまいました。
 「おばあちゃんは、ここには来られないんだよ。遠いところの、宇宙にいるか
らね。」
 すると、こうきは私の言葉を打ち消すように言いました。
 「ばあちゃん、うちゅう、いません。おりて、ちがうおまつり、行ってる!」
 
 こうきと二人、今年は打ち上げ花火を間近で見ました。
 首が痛くなるほど空を見上げ、こちらにの頭の上に降ってくるかのような
大きな花火を見ました。次々と花火は打ち上がり、その度に身体の底に響く
音を感じました。
 こうきも何も言わず、花火を見ていました。
 ふと、あちらにあるかもしれない、ちがうお祭りのことを想いました。

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