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スクールバスの日々 [記事]

 スクールバスに乗る最後の日が来ました。
小学部1年生から中学部3年生までの9年間、思えばよく通ったものです。
 バス停までは車で10分ほどの距離。
国道沿いのその場所で、暑い日も寒い日も、同じ養護学校の友達と一緒に
バスを待ちました。
 
 小学部低学年の頃は、バス停までの道の途中で、踏み切りや信号機に引っか
かるのが待てずに、車の中で大声を上げ不安定になってしまうことがありました。
そこで、遠回りだけれども、割合スムーズに行ける高架橋ルートに変更し、
なんとかこうきも私も精神的に楽になりました。
 朝のいつものルーティンが何かの調子で崩れてしまうと、
 「のらない、のらない、バスのらない」
言い張って、動かないこともありました。
 動きが激しかった小さい頃は、ピョンピョン走っているうちに、スーッと国道へ
飛び出してしまい冷や汗が・・・なんてこともありました。

 バスの中でも、いろいろありました。
気になる場所へ来ると必ず立ち上がってしまうから、先生から、立ち上がる人は
バスには乗れません、と厳重注意を受けたり、イライラして近くの友達をつねって
しまって、私が謝りのお電話を入れたことも。
 それから、隣の席の友達にしつこく話しかけて嫌がられたこともあったっけ。
その時は、バスではお話しません、と先生と約束を決め、代わりに絵本を見る
ことになりました。
 「こぶとりじいさん」「十二支のはなし」「いそっぷどうわ」
それから3冊の絵本がずっとバスに置いてありました。
バスに乗ると、先生が渡してくれる本を開く。ページをめくって眺める。
そのことで何となく心が落ち着くことができたのかな、と想像しています。

 最後のスクールバスに乗りこむ時、運転手さんと添乗の先生に、
 「9ねんかん、ありがとうございました~」
元気に言うことができました。
 運転手さんも先生も何人か代わり、バスに乗るメンバーも卒業したり転校したりで
なかなか会えなくなってしまった人たちもいますが、今か今かと国道の向こうを眺めて
バスを待った、あの時間。母親同士でちょっとした話ができたあの時間は、なかなか
いいものだったなあ、と思うのでした。




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