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ラジオ体操 [記事]

 夏休みです。
 妹が中学生になり、地域のラジオ体操に参加しなくなったので、
ようやく夏の朝、少しゆっくりできると思っていたのに、
 「ラジオたいそう、いきたーい!」
妙に張りきっている人がいます。
 養護学校では、中学部でもラジオ体操のカードが配布されるため、
それを手にすると、もう行かなくてはならないような気になるのでしょうか。
 こちらとしては、小学生の輪のなかに、一人だけ飛び抜けて背の高い
中学生が混じっているのはいかにも目立ってしまう。そんな心配が
頭をよぎり、ついつい「中学生はラジオ体操、行かないんだからね」と
ストップをかけてしまいます。
 それでも、こうき本人は行く気満々、カードにハンコを押してもらう、と
意気込んでいます。前日には明日の着替えとカードをを枕元に用意、
8時半過ぎには布団に入るという、驚くほどの準備の良さなのでした。
翌朝は5時過ぎから目覚めていたようで、私がハッと気がつくと、もう
着替えを済ませ、そのままいつ起きてもいいように寝床でスタンバイ
している様子。
 「何分にラジオたいそう、いきますか」
 「ひとり、行ってもいいですか」 
私が準備するのも待ちきれないようで、先に飛び出していきます。
 体操が行われるスーパーの駐車場までは目と鼻の先なので、
慌てて行ってみると、予想通り、小さな小学生の集団の中に、一人だけ
背の高い半ズボン姿の中学生がおかしな動きをしています。
 体操体操と騒ぐのですが、こうき自身は人の真似をして同じ動きをする
ということが苦手です。運動会や音楽会で、ダンス振り付けを覚える
のは、なかなかうまくいきません。
 ピョンピョン跳ねたり、手を上げたりするくらいの動きはできるのですが、
もう少し複雑な動きになると、棒立ちのままになってしまいます。たぶん、
戸惑っているのだとは思いますが、そんな風には見えず、ただぼうっとして
いるように見えてしまいます。
 それでも、ラジオ体操第二が終わると、急に生き生きとなり、小学生に
混じってハンコをもらいに駆け出します。ハンコ係の小学生が、さほど気に
せずこうきのカードにハンコを押してくれたのには、ほっとしました。
あの子、何だろう、と振り返る子もいたけれど、こうきのことを見知っている
近所の子たちもいて、なんとなく周りにまぎれていられたことに、私も安心
し、その後の何日間かを一緒に通うことができました。

 こうき本人は、いろんな人と話がしたい。
 「こんにちは~」
あまり行き来のない家の人に、いきなり大声で遠くからあいさつしたり、
 「らいねんラジオたいそう、きますか?」
知り合いの女の子にしつこく尋ねてしまったり。
少しちぐはぐな会話を始めてしまうことに、私はハラハラして、横からストップを
かけたり、口をはさんでしまう。
 なかなか、この子のことをわかってもらうのは難しいと思いながら、そんな
自分の姿勢が、こうきの良さを損なっているのかもしれないと、思い当たった
ときにハッとしました。
 きちんと表に出ていくこと。周りの人たちとかかわりを持ったり、その姿を見て
もらうことは、この先この地域で生きていくのに大切なことです。
 「高等部なっても、ラジオたいそう行きたい!」
 本人が望むなら、来年もラジオ体操に出て行こうと思います。



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